リムージュの国立アドリアン・デュブーシェ美術館で950万ユーロ相当の盗難

フランス南西部ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏のリムージュにある国立アドリアン・デュブーシェ美術館で、4日未明に大規模な窃盗事件が発生し、被害総額は暫定で950万ユーロ(日本円で約15億円)に上るとみられている。
盗まれたのは特別展で展示されていた中国の磁器コレクションで、個人所有の貴重な作品群だという。警察は、窃盗団が窓をこじ開けて侵入したとみて、現在も現場検証を続けている。
同美術館は、世界有数のリモージュ磁器コレクションで知られ、古代から現代までの陶磁器の歴史を網羅する18,000点もの作品を所蔵している。今回の被害は、特別展の展示品に集中しており、所蔵品全体の管理体制についても注目が集まっている。
捜査はフランスの警察中央組織犯罪対策局(DCOS)が担当しており、犯行グループの特定を急いでいる。今回の事件は、美術品盗難としては異例の被害額であり、国内外の美術界に大きな衝撃を与えている。