リビア疑惑のキーマン、ジアド・タキエディン氏死去

サルコジ元仏大統領への資金提供を告発、判決直前に75歳で

サルコジ元仏大統領の2007年大統領選挙キャンペーンへのリビアからの資金提供疑惑で中心人物となっていた実業家、ジアド・タキエディン氏が75歳で死去した。彼の弁護士が9月23日、BFMTVに明らかにした。ベイルートで心臓発作により亡くなったという。

タキエディン氏は、選挙資金としてリビアの独裁者ムアンマル・カダフィから現金を受け取り、サルコジ元大統領らに手渡したと長年にわたり告発してきた。しかし、彼の証言は揺れ動くことが多く、サルコジ氏からは「大いなる詐欺師」とまで呼ばれていた。

レバノンの名家出身である同氏は、かつてスキー場「イゾラ2000」の総支配人を務めた後、武器取引の仲介者として政界や財界と深い関係を築いた。彼の死は、リビア疑惑の裁判で判決が下されるわずか2日前のことであり、今後の展開に影響を与える可能性もある。

タキエディン氏の弁護士によると、彼は「弁護士への未払い」を理由にレバノン北部のトリポリで拘束されていたという。彼の死により、この複雑な事件の一つの証言は永遠に語られることがなくなった。