パリ区長の「公費」流用疑惑 スキー服・子供メニュー精算に批判殺到

パリ区長の「公費」流用疑惑 スキー服・子供メニュー精算に批判殺到

パリ市長の公費支出問題に続き、今度は各区長の不適切な経費精算が次々と明るみに出ている。スキーパンツや子供向けメニュー、日用品の「お椀」まで公費として処理されており、公私混同の境界線があいまいになっているとして、市民の批判が高まっている。

パリ市庁舎の経費スキャンダルは収束の兆しを見せない。Mediapart(メディアパート)がパリ市長の支出を問題視した後、焦点は区長たちの公務に必要な費用(代表者経費)に移った。発端は、18区のエリック・ルジョワンドル区長の領収書が「サッカージュ・パリ」運動関係者によって公開されたことだ。これを受け、市当局は区長全員分の公務関連費を公表。その詳細をリベラシオン紙が報じた。区長に認められる代表者経費の上限は年間1万1092ユーロ(パリ市長は1万9720ユーロ)と規定されている。この費用はパリ市倫理委員会によって厳格に管理されており、覚書には「完全に個人的な支出や、仕事・団体活動に関わる支出」への充当は禁じると明記されている。

しかし、公開された支出内容からは、公務と私的な利用の線引きが曖昧になっている実態が浮かび上がる。リベラシオン紙の報道によると、多くの区長が休暇中やパリ市外で使った費用を精算しようとしていたことが判明した。一例として、6区のジャン=ピエール・ルコック区長(LR=共和党)の購入履歴には、大西洋岸のラ・ボールやル・プーリゲン(ロワール=アトランティック県)での旅行に伴う支出が確認されている。