フランス政治混乱の影で国民連合が勢力拡大か

政府の交代が異例のペースで続くフランスで、フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、この政治的な混乱が極右政党である国民連合(RN)にとって、歴史的な追い風になっていると分析しています。
この一年足らずで三代目となるセバスチャン・ルコルニュ首相が辞任したことを受け、マリーヌ・ル・ペン氏は、自身を国を救うための「頼みの綱」として位置づけています。
ル・ペン氏は月曜日に公開された動画の中で、フランス国旗を背に、「国を破滅的な状況から脱却させ、国家の活動に再び方向性を与える」ためとして、新たな国民議会選挙の実施を求めました。
イギリスのFT紙は、フランスが慢性的で続く不安定な状況に深く陥っており、それが極右政党の利益になっていると見ています。
エマニュエル・マクロン大統領は今週末までに次の首相を指名する必要がありますが、議会をすぐに解散するとの見方は後退しています。しかし、FT紙は、この制度上の行き詰まりこそが、「秩序を回復できる唯一の勢力として自らをアピールするRNの戦略を強めている」と指摘します。
世論調査では、RNは有権者の約3分の1という支持を確固たるものにしています。FT紙は、その支持基盤が「大きく広がっているわけではないが、より強固になっている」と強調しています。
ル・ペン氏に続き、ジョルダン・バルデラ氏は、RNが将来的に絶対多数を獲得した場合の首相就任に向けて準備を進めています。2024年の選挙運動中に見られたような失言を防ぐため、数十人の候補者がすでにメディア対応の訓練を受け、政策に関するチェックを受けています。