エネルギー危機深刻化、3分の1超が支払い困難に

フランスでエネルギー価格の高騰が家計を直撃し、暖房が贅沢品と化している。エネルギー国家オンブズマンが火曜日に発表した年次調査によると、この1年間で3分の1以上(36%)の世帯がガスや電気代の支払いに苦慮しており、これは前例のない高水準だ。

支払いに困難を抱える世帯の割合は、2020年の18%、2024年の28%から急増し、オンブズマンは「これほど広範になったことはない」と警鐘を鳴らす。また、約4分の3(74%)の世帯が金銭的な理由で暖房の使用を制限しており、昨年の過去最高(79%)に迫る水準で、エネルギー貧困の深刻さが浮き彫りになった。

世帯の多数がエネルギー請求額の増加に直面する中、特に「エネルギー小切手」(低所得者向け補助金)の支給が遅れたことが状況をさらに悪化させた。本来春に行われるはずだった2025年分の配布が、財政法の採択遅れにより11月にずれ込んだのだ。

この遅延は受給世帯の61%に不利益をもたらし、そのうち35%が支払い困難を経験。受給世帯の10%が電力の停止または減額という事態に追い込まれた。

こうした状況を受け、オリヴィエ・シャラン・ベルヴァル・エネルギー国家オンブズマンは、電気代の未払いによる電力停止を禁止し、最低限の電力供給を受ける権利を確立するよう改めて政府に求めている。

彼は「冬季休止期間を前に、電気は生活必需品であることを強調したい」と述べ、未払いによる電力停止は「最も脆弱な世帯にとって大きな暴力」だと指摘。停止の代わりに「電力供給の出力を制限する」措置を提案した。

【出典】20minutes 10月28日配信記事 『Energie : Plus d’un tiers des foyers français peinent à régler leurs factures』(https://www.20minutes.fr/economie/4181938-20251028-energie-plus-tiers-foyers-francais-peinent-regler-factures