ショア記念館「赤い手」落書き事件、ブルガリア人4人の公判始まる

2024年5月にパリのショア記念館に「赤い手」の落書きがされた事件で、ブルガリア国籍の男4人に対する公判が、この水曜日からパリの軽罪裁判所で始まりました。

この事件は、フランス社会に「分断と混乱」をもたらそうとする一連の外国からの干渉、すなわち不安定化工作の一環として注目されています。パリ検察は、エッフェル塔前の棺やモスク前の豚の頭の放置など、他の事件も含め、計9件が外国の関与によるものだとしています。

落書きは、2024年5月13日から14日の夜間に、記念館の「正義の壁」に35カ所描かれました。「赤い手」は、2000年にヨルダン川西岸地区のラマラでイスラエル兵がリンチされた事件に関連づけられるシンボルとされています。

犯行現場から逃走した実行犯らは、監視カメラや携帯電話の履歴などから特定され、その後の移動ルートも判明しています。

現在、容疑者のうち3人は拘留されていますが、1人は逃亡中で、欠席裁判となる可能性があります。

彼らは、集団による加重器物損壊や犯罪組織への参加などの罪に問われています。刑罰は最大で懲役7年、罰金7万5000ユーロに上る見込みです。

司法情報筋によると、検察当局は捜査の過程で、この工作がロシアの諜報機関によって仕組まれた可能性が高いとの見解を示しています。ロシアは、直接工作員を使うのではなく、「プロキシ(代理人)」として金銭で報酬を与えられた個人を仲介者を通じて利用し、フランス国内の緊張を高め、世論を分断しようとしていると見られています。

【出典】20minutes 10月29日配信記事 『Mains rouges taguées sur le mémorial de la Shoah : Ouverture du procès des quatre Bulgares à Paris』(https://www.20minutes.fr/justice/4182153-20251029-mains-rouges-taguees-memorial-shoah-ouverture-proces-quatre-bulgares-paris