仏政府、Sheinのサービス停止手続き開始へ

フランス政府は、ファストファッション大手「Shein(シーイン)」に対し、国内でのプラットフォームサービス一時停止に向けた手続きを開始すると発表した。子供のような外見のセクシャルドール販売が問題視されたことを受けた措置で、同社が国内法規への準拠を証明するまでの期間、停止が求められる。

経済・財務省(Bercy)は声明で、「首相の指示に基づき、政府はSheinに対し、プラットフォーム上のコンテンツが全てフランスの法令・規制に最終的に準拠していることを当局に示すために必要な期間、停止手続きを開始する」と明らかにした。閣僚らは今後48時間以内に進捗状況の初報を行う予定だ。

セルジュ・パパン貿易担当閣外大臣は、議会で「我々は非常に警戒しており、この問題に国家の全機関を動員している」と強調した。

今回の発表は、子供のように見えるセクシャルドール販売スキャンダルが明るみに出てから数日後のことである。不正行為取締総局(Répression des fraudes)からの通報を受け、パリ検察庁は未成年者対策局に捜査を委託した。

2012年に中国で創業し、現在シンガポールに拠点を置くSheinは、極端なウルトラ・ファストファッションの象徴的存在だ。同社は、低賃金・劣悪な労働条件の下請け業者の利用疑惑や、サプライチェーン、経営モデル、財務の透明性欠如などが以前から指摘されている。

さらに、同社は欧州の製品基準も遵守していないと指摘されている。フランス政府の最近の推計によれば、アジアの大規模プラットフォーム製品の94%が欧州規則に不適合であり、そのうち66%が危険と見なされている。

今回の政府発表は、奇しくもパリのBHV百貨店内に同社初の非一時的な実店舗がオープンした数時間後の出来事だった。

Sheinはフランス国内で、2025年にクッキー規制違反で1億5000万ユーロ、虚偽宣伝・情報提供で4000万ユーロ、製品中のマイクロプラスチック非申告で100万ユーロと、すでに巨額の罰金を科されている。また、EUからも虚偽の割引や持続可能性に関する誤解を招く情報で問題視され、消費者団体による苦情も寄せられている。

問題となったドール販売について、Sheinは「システム上の不具合」があったとし、すべての「セクシャルドール」の販売を禁止した。同社は、自社の「オンデマンド」生産モデルを強調し、問題は仲介役を務める「マーケットプレイス」の販売者によるものとして、Sheinブランド本体と区別するよう求めている。

環境面や労働条件に関する批判に対しては、「材料の無駄や売れ残り在庫の削減」を主張し、国際労働機関(ILO)条約に準拠した「行動規範」を導入していると説明している。また、欧州当局とは「建設的に協力」し、法令遵守へのコミットメントを示すと表明している。

【出典】20minutes 11月5日配信記事 『Shein : Le gouvernement engage une procédure de suspension de la plateforme en France』(https://www.20minutes.fr/economie/4183792-20251105-shein-gouvernement-engage-procedure-suspension-plateforme-france