仏社会保障予算、国民連合が最終反対へ

フランスの極右政党、国民連合(RN)は、国会で審議が続く社会保障財源法案(PLFSS)について、議論の最終段階で必ず反対票を投じる方針を明確にした。
RNのジャン=フィリップ・タングイ国民議会議員は10日までに、「(増税を含む)歳入の部分に反対した以上、最終的な予算全体に賛成することはできず、一貫性を保つ必要がある」と述べ、反対の理由を説明した。
RNは先に、法案の「歳入」部分の採決で反対票を投じた。これは、政府側が審議中に企業への課税(C3Sと呼ばれる法人税)を50億ユーロ(約8,000億円)規模で復活させたことへの反発が背景にある。タングイ氏は、この決定が「土壇場」で下されたと指摘し、増税反対の立場を鮮明にした。
一方でRNは、法案の「歳出(支出)」に関する審議については、引き続き参加する意向を示している。特に、焦点となっている年金改革の停止に関する採決では、「賛成票を投じる」と明言した。
最終的に法案全体に反対するにもかかわらず、個別の支出項目に賛成するのは矛盾するが、タングイ氏は「すねて議論から離脱するつもりはない」とし、審議に影響力を行使し続ける姿勢を強調した。
RNは、セバスチャン・ルコルニュ内閣の打倒を目指しており、水曜日に予定される法案採決を前に、内閣不信任決議案の提出の可能性を探っている。
タングイ氏は、不信任案提出は「他党の『裏切り』を国民に示す」ため、あるいは中道右派の共和党(LR)の態度次第で不信任案可決の望みが出てきた場合などにあり得るとし、政局の行方を注視している。
【出典】20minutes 11月9日配信記事 『Budget de la Sécurité sociale : Le Rassemblement national prévient qu’à la fin, il « votera forcément » contre』(https://www.20minutes.fr/politique/assemblee_nationale/4184532-20251109-budget-securite-sociale-rassemblement-national-previent-fin-votera-forcement-contre)

