ペタン追悼ミサで修正主義発言、仏内相も非難 県知事が告訴へ

第一次世界大戦の激戦地である仏東部ヴェルダンで15日、フィリップ・ペタン元帥を追悼するミサがサン・ジャン・バティスト教会で行われた。これに対し、教会前には約100人の市民や政治家らが集まり、ヴィシー政権を率いた対独協力者への追悼を批判する抗議デモを行った。

ミサは行政裁判所により許可されたが、終了後、元帥の記憶を守る会(ADMP)の会長が報道陣に対し、ペタンを「フランス最初のレジスタンス」だと主張し、1945年の死刑判決の裁判は「公平性を欠いていた」と発言した。

この「明らかに修正主義的」な発言に対し、ムーズ県のグザヴィエ・ドラリュー知事は、刑法に基づき検察に告訴する方針を表明した。

ジェラール・ダルマナン内務大臣もこの発言を「我々の集団的な記憶に反する」ものとして非難し、X(旧Twitter)上で「コラボレーションと抑圧の人物の再評価の試み」を強く非難した。

フランス・ユダヤ人団体代表評議会(Crif)の会長も、このミサを「対独協力を擁護し、祖国への裏切り者を再評価すること」であり、「強制送還された76,000人のユダヤ人の記憶に対する侮辱」だと厳しく批判した。

ミサには最大で20人程度の信者が参列した一方、教会外では約100人のデモ参加者が「ペタンにミサを捧げるな、ヴェルダンにファシストはいらない」とシュプレヒコールを上げ、「ラ・マルセイエーズ」を歌うなど、終始穏やかに抗議の意を示した。複数の選出議員も三色帯を着用して参加した。

また、極右政党関係者とされる2人についても、治安部隊への「嫌がらせ」があったとして、県知事は告訴を検討している。

【出典】20minutes 11月15日配信記事 『Verdun : Manifestation et plainte pour révisionnisme lors de la messe en hommage à Pétain』(https://www.20minutes.fr/societe/4185860-20251115-verdun-manifestation-plainte-revisionnisme-lors-messe-hommage-petain