【ニュース】仏アングレーム漫画祭、26年開催断念を要請 公的支援団体「維持困難」 作家ボイコットで混迷 再開は27年目指す

フランスで開催される欧州最大級の漫画の祭典、アングレーム国際漫画祭の公的資金提供者らは20日、主催者に対し、2026年1月に予定されていた次回大会の開催を断念するよう要請した。運営体制への批判から作家や出版社のボイコットが相次ぎ、開催は「極めて困難」と判断した。世界的文化イベントの先行きに暗雲が垂れ込めている。

 同漫画祭の運営資金の約50%を拠出する自治体と国の代表者が同日、記者会見を開いた。アングレーム市のグザヴィエ・ボンヌフォント市長は「出版社や作家不在のまま、26年大会の開催を維持することは極めて困難だ」と明言。「作家と出版社がいてこその祭典であり、彼らがいなければ公的助成も行えない」と述べ、事実上の「ノー」を突きつけた。

 市長は、イベントの権利を保有するFIBD協会と、実質的な運営を担う民間企業「9eArt+(ヌヴィエム・アール・プリュス)」に対し、この現実を受け入れるよう要求。2027年大会については、新たな運営事業者を選定し、開催を目指す方針を示した。

 26年大会を巡っては、長年の運営不信などから作家らが大規模なボイコットを呼びかけており、2025年のグランプリ受賞者アヌーク・リカード氏ら著名作家もこれに同調。カステルマンや講談社系とも提携するグレナなど大手出版社が加盟する全国出版組合(SNE)も19日、公的パートナーからの新体制案提示にかかわらず、次回開催は「不可能」との見解を示していた。

 一方、仏文化省は19日時点で予定通りの開催(26年1月29日~2月1日)を求めており、地元側の発表後もAFP通信の取材に対し、その姿勢を崩していない。国と地元の足並みの乱れも浮き彫りとなっている。

【出典】20 minutes 11月20日配信記事 『Festival de la BD d’Angoulême : Les organisateurs sommés de « renoncer à l’édition 2026 » par les financeurs publics』(https://www.20minutes.fr/arts-stars/culture/4186826-20251120-festival-bd-angouleme-organisateurs-renoncer-edition-2026-financeurs-publics