オー・ド・セーヌ県シュレンヌ市、ハト対策に「避妊用トウモロコシ」を導入

「空飛ぶネズミ」として、住民を悩ませるハト問題に対し、シュレンヌ市が異色の解決策に乗り出した。繁殖を抑制する特殊なトウモロコシを餌として与え、個体数の自然減を目指す試みだ。

このプロジェクトは、2023年の市民参加型予算で住民から提案されたもの。ハトの数が過剰になり、糞害などが深刻化した現状を「より尊重ある方法」で解決したいという声に応える形で実現した。

シュレンヌ市は、ハトの繁殖期に合わせ、毎日午前6時から6時30分までの間、特定の場所に設置された自動給餌器から特殊なトウモロコシを供給している。このトウモロコシは、ハトの胚の発育を妨げる避妊ジェルでコーティングされており、他の動物には無害な成分で構成されているという。市当局は、「ハトに餌を与える場所を固定化させることで、徐々にこの避妊効果のある餌に慣れさせる」と説明。この試みが成功すれば、化学薬品や物理的な駆除に頼ることなく、ハトの個体数を長期的に管理できると期待されている。