ルーブル強盗、被害額「8800万ユーロ」に

フランス・パリのルーブル美術館で日曜日に発生した宝飾品強盗事件は、史上空前の規模であることが判明した。パリのロール・ベクオー検察官は21日、地元テレビに出演し、盗まれた宝飾品の価値が経済的な側面だけでも8800万ユーロ(約142億円)に上るとの推定を明らかにした。
検察官はこの額を「非常に目覚ましい」としながらも、「(美術館にとっての)歴史的な損害とは比較にならない」と強調。犯人に対し、「宝石を溶かして売却してもこの額は手に入らない。無分別に破壊しないよう考えてほしい」と異例の警告を発した。
現在、パリ検察の専門部門(JIRS)の指揮の下、100人近い捜査員が動員され、徹底的な捜査が進められている。現場で採取された指紋は現在分析中であり、ベクオー検察官は「照合を大いに期待している」と述べた。
捜査当局は、現場にいた4人の人物を特定。しかし、強盗の計画・実行には、彼らの周りに「多数のチーム」が関与している可能性も示唆された。さらに、世界一の来館者数を誇る同美術館の内部の共犯者の可能性についても「排除していない」とし、慎重に捜査を進める方針を示した。
犯行に使われた高所作業車は、「引っ越し」を装った偽のレンタルで入手されていたことが判明。確認に訪れたレンタル会社の従業員が、現場で2人の男に脅迫される事態も起きており、事件の計画性が浮き彫りとなっている。
【出典】20minutes 10月21日配信記事 『Cambriolage au Louvre : La valeur des bijoux volés est estimée à « 88 millions d’euros »』(https://www.20minutes.fr/societe/4180762-20251021-cambriolage-louvre-valeur-bijoux-voles-estimee-88-millions-euros)
