【ニュース】仏上院、年金改革停止案を否決 与党に痛手、政局混迷

フランスの年金改革を巡り、右派が多数を占める元老院(上院)は、政府が提案した改革の「一時停止」案を190対108の大差で否決した。この採決は、社会党(PS)の支持を取り付けたい政府にとって深刻な打撃となり、来週に控える国民議会(下院)での審議に向け、政局の混迷を深めている。

セバスチャン・ルコルニュ首相が、社会保障予算案の枠組みの中で、左派との妥協を図るために導入を提案した年金改革の停止措置は、上院で受け入れられなかった。

上院の強硬姿勢により、両院間で調整を図る両院協議会は事実上機能不全に陥る見通しだ。これにより、法定退職年齢を64歳に引き上げる措置の適用を2028年1月まで延期するという計画も危ぶまれている。

共和党(LR)のブルーノ・ルタイユ院内総務は、政府の提案を厳しく批判。「年金改革の停止は、政府が生き残るために左派に支払った代償だ」と断じ、改革の延期は「将来世代に負債を押し付ける」行為だと主張した。

また、共和党のパスカル・グルニー議員は、この措置を「若者を犠牲にする」欺瞞的な手法であるとして、「まやかし」だと非難した。右派は、改革阻止の姿勢を鮮明にしている。

一方、社会党のパトリック・カネ院内総務は、上院の決定を「イデオロギー的な妥協の拒否」だと強く非難。「この投票は、上院が妥協を求めていないことを示している」とし、国民議会での第二読会までに政府が解決策を見出すよう求めた。

ジャン=ピエール・ファランドゥ労働大臣は、改革の停止は「政治的・経済的な安定を与えるための条件」だと擁護。採決後には右派に対し「熟慮」を促し、「実現できなければ、国にとって良くない『奇妙な事態』が起こる」と警告を発した。

停止案は、2026年に3億ユーロ、2027年に19億ユーロの財源を要すると試算されている。この措置は国民議会で復活する可能性があるものの、社会保障予算案は本日中に上院での最終投票が予定されている。

【出典】20 minutes 11月26日配信記事 『Le Sénat s’oppose massivement à la suspension de la réforme des retraites』(https://www.20minutes.fr/politique/4187935-20251126-senat-oppose-massivement-suspension-reforme-retraites