語学力「だけ」が評価される時代の終焉

かつて、フランス語ができることはそれだけで大きな希少価値を持っていました。しかし昨今、仏検1級やDALF C2の取得者、あるいはフランスの大学院を卒業した人材は市場に溢れています。厳しい現実として、もはや「フランス語ができる」という資格だけでは、キャリアにおける差別化が難しい「資格の形骸化」が起きていると言わざるを得ません。

これからの時代、フランス語学習において最も重要なのは、完璧な流暢さを求めることではなく、「自分の目的に合わせた、戦略的な目標設定」です。

「フランス語で活躍している人」は存在しない

ここで絶対に勘違いしてはいけないことがあります。それは、「フランス語ができるようになっても、それだけでは何にもならない」という冷酷な事実です。

世の中で実際に活躍している人たちをよく見てください。彼らは「フランス語」で活躍しているのではなく、自身の「得意分野」をフランス語を使ってアウトプットしているに過ぎません。フランス語そのもので活躍している人など、この世には存在しないのです。言葉はあくまで器であり、中身となる専門性がなければ、その器は空っぽのままです。

「学習方法」の習得で満足してはいけない

私たちは今、大きな転換点に立っています。これまでのように、文法や聞き取りといった「学習方法」そのものをひたすら学ぶ時代は終わりました。これからは、学習の先にある目的を見据えた学習に転換していかなければ、確実に取り残されるでしょう。単なる「学習者」の枠を超え、実社会でのアウトプットを前提とした学びへと意識を切り替える必要があります。

「B2で止める」という戦略的選択

フランス語を極めようとすれば、膨大な時間と労力を消費します。しかし、実務において高いパフォーマンスを発揮するために必要なのは、必ずしも最上級の資格ではありません。

むしろ、フランス語の習得は「実務で通用するB2(あるいは仏検2級)」程度のレベルで一旦止めておき、その分のリソースを「司法試験」「医師免許」「税理士」「看護師」といった、国家資格や専門スキルの習得に充てるべきです。語学のプロを目指すのではなく、特定の専門分野にフランス語を「掛け算」すること。それこそが、現代においてフランス語を最も有効に活用できる道なのです。

実務経験という「核」に、フランス語を添える

私自身の経験を振り返っても、海外営業の現場で真に役立ったのは、高度なフランス語の知識そのものではありませんでした。営業として培ってきた交渉術や業界の知識という「核」があったからこそ、付随物としてのフランス語が初めて価値を生んだのです。

資格はあくまで証明書に過ぎませんが、経験は実力そのものです。ひたすら語学の参考書と向き合うのではなく、バランスよく学ぶことで、より現実的な夢に近づくことができます。

結論:2026年、新たな目標設定を

私たちは、「何語を話すか」に固執するあまり、肝心の「何を話すか(何ができるか)」を見失いがちです。フランス語はあくまで、あなたの強みを広めるためのツールに過ぎません。

2026年は皆様が「フランス語習得」を最終ゴールにするのではなく、その先に掴むべき目標を明確にして、頑張ってください! 自分自身の得意分野を決して忘れず、その軸となる専門性にフランス語という武器をそっと添える。この「学習の先を見据えた設計」ができる人こそが、次世代のフランス語活用における勝者となるでしょう。